ツナシマオトコです。

東横沿線の庶民”ツナシマ”在住。ITネタ,WEBマーケ,キャンプ,クロスバイク,犬が好きな30代会社員の雑記。

倒産『てるみくらぶ事件』はなぜ起きた?被害者に旅行代金は返金されるのか?

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てるみくらぶ主催の海外ツアーで起きている一連の航空券発券トラブル。被害にあわれた方の声もsnsやニュースなどで多数出てきてますね。今回の事件、一体なぜおきてしまったのでしょう。 ※3/26時点で正式発表がないので以下は単に憶測で書いてます。あしからず。 

てるみくらぶの売上規模

まず「てるみくらぶ」とは一体どれくらいの売上規模の会社でしょう?

東京商工リサーチによると、「てるみくらぶ」は1998年設立で、東京本社のほか大阪や名古屋などにも事業所があり、2016年9月期の売上高は 約195億円とのこと。どこと比べるか微妙なところですが、2015年度 海外旅行取扱額が212億円だった "JTB東海"と売上額で見ると近いレベルです。従業員145名と会社規模では中小といった感じですがOTA(オンライン旅行会社)の中では、ハワイやソウルのツアーでは特に一定のポジションを占めていた印象があります。中でも大韓航空仕入れに強かったのか、ホノルルの大韓航空の座席はかなりの数を、てるみくらぶのツアーが確保していたと噂で聞いたことがありました。

http://www.mlit.go.jp/common/001141048.pdf 

なぜ予約した航空券がキャンセルに?

そもそもなぜ、今回のてるみくらぶの件で、予約・発券済みの航空券やホテル予約がキャンセルされていたのでしょう?手元にeチケットがあるのに空港いったら席の予約がなかった‼︎という方もいらっしゃったようです。手元にeチケが届いてすらいなく、てるみ側と連絡も取れない、という方も多いようですが。。

キャンセルについては、恐らくてるみくらぶ→航空会社の期日までの支払が未納状態 (*BSPの清算)」となっていた為、記録がキャンセルされてしまったのかと思われます。

ただ、旅行者にeチケットを渡していたケースもあるようですので、一旦発券してチケット番号(eチケット)を旅行者に連絡し同日キャンセル(VOID)処理。旅行者の手元にあるeチケットはただの紙クズに…なんて確信犯的な組織的な行為も事業停止の間際にはあったのでは?と勘ぐってしまいます。(勝手な憶測ですが)

通常、航空券の発券翌日以降に取り消しをした場合「Refund処理」という扱いになります。Refund処理となると、航空会社から旅行会社に対して返金がされるものの、キャンセル料を引かれた額が返金されてしまうので実質的な料金が発生してきます。今回のように手元にキャッシュがないてるみくらぶが、現金の掻き集めに走った動きを見ると、そもそも発券すらしていないケースも多いのかもと思ってしまいます。旅行者からの予約を受け、座席の予約記録は作るが、航空券に設定される発券期限(TL:チケットリミット)はスルーし自動キャンセルさせているとか。。まあ憶測をかさねてもしょうがないのでこのへんで。

  • 発券当日の取消(VOID):旅行会社から航空会社に対して費用は発生しない。
  • 発券翌日以降の取消(Refund):航空会社から旅行会社に対して返金されるものの、キャンセルチャージを引かれた額が返金。つまりは実質的に「料金」が発生してくる。  (*航空券の発券ルール:Same Day Voiding)

旅行会社⇔航空会社の清算システム「BSP」の仕組み

上の憶測でも書いた「BSP」 (Billing and Settlement Plan)という清算システムについて参考まで記載を。これは旅行会社が発券した航空券の「旅行会社と航空会社間での清算の仕組み」になります。

発券した旅行会社(今回のてるみくらぶ)は、旅行者が支払った航空券代金を、指定銀行経由で各航空会社に送金して)います。(*月4回)

清算〆は発券日から1~7日後で、旅行会社から航空会社への送金は発券日から1~2週間後となります。キャッシュフローの崩壊した てるみくらぶは、この送金が出来ていなかったのでしょうね恐らく。年間200億円売っている会社でも手元にキャッシュがないものなのですね。恐ろしや。。

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旅行代金は返ってくるのだろうか

気になるのは、すでに入金されている金額がちゃんと返金されるのかどうか。。twitterでも色々な方が書かれていましたが、てるみくらぶは「JATA会員ではあります」が「ボンド保証会員ではありません。」その場合どれくらいの返金がされるものでしょうか?

 ボンド保証会員とは

旅行会社の加入する任意保険のようなものです。ただ必須ではないので、普段旅行を予約する際に気にすることは少ないと思いますが、入っている会社・入っていない会社があります。そのへん見ておくとよいのかも。とはいってもそんなとこ見ませんよね・・

「ボンド保証制度」は、JATAの保証社員のうち、海外募集型企画旅行を取扱う第一種旅行会社が法定弁済制度にプラスして、自社の負担で一定額の「ボンド保証金」を協会にあらかじめ預託しておき、自社と取引をされたお客様に対して協会が弁済をすることになった場合、「法定弁済限度額」と自社「ボンド保証金」の合算額を実際の弁済限度額とすることで消費者保護を拡充するものです。

費者保護制度「JATAボンド保証制度のご案内」|JATA

JATA正会員の弁済業務保証制度

てるみくらぶは旅行業の第一種(海外旅行主催可)になりますので、保証制度で最低7000万円は弁済されるようです。

弁済業務保証制度(法定制度)
一般社団法人日本旅行業協会(JATA)の正会員である旅行会社(保証社員といいます)と旅行取引をされたお客様が、旅行会社の営業停止等により、旅行中止といった被害を受けられた場合、協会は、旅行業法に基づく「弁済業務保証制度」によって、保証社員の弁済限度額の範囲内でお客様に弁済することになっています。
例:旅行者との年間取引額が70億円未満の第一種旅行会社の場合、弁済限度額は7,000万円 

この弁済限度額は、実際の旅行会社の年間取引額にもよって変わってくるようですが、てるみくらぶの約款を見ると「1億円までの弁済」と記載されていました。

なので1億円までは返ってくるのではないか、というのが現時点でわかることなのかと思います。ただ各航空会社やホテルなど主要取引先への弁済も優先されてくるかと思うので一般消費者への弁済額が一体どれくらいになるのか、答えが得られるのはまだ先になりそうです。

当社と募集型企画旅行契約を締結した旅行者又は構成者は、その取引によって生じた債権に関し、前項の社団法人日本旅行業協会が供託している弁済業務保証金から1億円に達するまで弁済を受けることができます。  

弁済業務保証金制度について|JATA 

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クレカ払いをキャンセル出来たケースも?

今回の場合、勿論クレジットカード会社に責はないので個人からの決済停止は聞き入れてはもらえないと思います。ただ、twitter上ですが以下の方のように対応されたケースもあるようです。(不確かな情報なので違っていたらすみません。) 決済タイミングや引き落とし日、カード会社にもよるでしょうが特に多額の方、カード決済されたばかりの方は一度かけあってみてもよいのかと思いました。金額が金額なので。。ハワイでの挙式の方とかもいるみたいですね。。本当にかわいそう。。

 

現金一括キャンペーンを実施していた てるみくらぶ

営業停止前の最近まで、現金一括キャンペーンで海外ツアーを募集していたらしい。あからさまな手口だけど、そこそこ知名度もあったてるみくらぶなわけで、ユーザーは予約前に疑わないですよね。まさか倒産するなんて…このキャンペーンの支払額は社長が持ち逃げなのか??

 

3/15(水)のトラベルズーにもてるみくらぶは広告を掲載

旅行好きな方にはおなじみのメルマガ、3/15(水)のトラベルズーにも”羽田発ベトナムツアー”の募集広告を掲載していました。

数年前の記憶ですが、トラベルズーの広告入稿は割と間際まで内容調整ができます。旅行なんて空室,空席状況はよほどブロック確保していなければすぐに変わってしまうのでメルマガ配信直前まで状況みてからの配信になります。

てるみくらぶ事業停止の約一週間前にトラベルズーで広告打つなんてやはり色々確信犯すぎますね。f:id:affmk253:20170326092342j:image

 ちなみにこのベトナムツアーのうたい文句は以下。 

フライトもホテルもワンランク上のハノイ5日間ツアーが89,800円~。これは航空券とホテルを個別に手配するより約15万円も割安です。

なにが15万円も割安なのか…これを信じて予約した方も相当数いるのかと思うと見ていて怒りが湧いてきます。入稿していた担当者は何も知らされていなかったのかと思いますが…

 これで、てるみの社長から旅行者に「発券済みの航空券はご利用頂けるかどうか現時点で確認できていない」「ご購入済みの旅行代金の返金は日本旅行業協会等関係先と協議の上、ご連絡します」といきなりメールが来て音沙汰なし…怖すぎます。

一旦おわり。

 

 

#2017.07.11 

負の連鎖。。

東京商工リサーチによると、2017年上半期(1月~6月)の旅行業の企業倒産件数は、前年比1件増の15件。負債総額は202億2000万円。てるみるくらぶ破たん関連負債が9割以上を占めた。

https://www.travelvoice.jp/20170711-92912